アンティークロンジンクロノグラフ【Longines Chronograph Suiza Cal.13NZ】
御紹介のお客様です。 文字盤再生・文字盤リダン・文字板書換えのみに時計修理御依頼での東京都
文京区よりの御来社でした。 劣化状態がひどく、消えてしまっている部分が多く、その再生と言うよりも新
規作成も含まれる文字盤再生・文字板リダンです。
高度な文字盤再生・文字板リダン・文字板書き換え・ダイアルリフィニシュ・Dial Refinishingと言っておきましょう。
文字盤は時間がかかりはしましたが、ほぼ完璧に再生・リダンが出来たのですが、古い時計で仕方がな
いのですが、「巻き真の先」が折れ込んで抜けないと言う不具合がわかり御連絡しますとお客様が同じ時計
を、「部品取り用」とお持ち込みになました経緯がありました。
さてこの「部品取り用」のロンジンクロノグラフですが、この部品が違う部品と入れ替えてあったり、古いので
ひどい状態でしたので、梃子摺り過ぎまして、工夫、部品作成調整をし尽くしましたが、辛うじて何とか動くよう
にはしましたが、限界までやったと言う事です。 一応手巻きクロノグラフのオーバーホール・分解掃除、部品
交換と文字盤再生・文字盤リダンです。
当初の御依頼でした、「文字盤再生・文字盤リダン・文字板書換えは「上々、最高の仕上がり」と言っても過言
ではないはずです。
ちなみに「Suiza」とはスペイン語でスイスですので、スペイン語圏への、多分アルゼンチンに輸出されたと想
像しますが、1940年代製造か・・・。
時計修理後記
1.クロノグラフの歯合せ調整偏心機構ネジなしで通常のネジが使用されていましたので、
調整不可の為に歯あわせ位置に合せた位置で固定部品取り付け用に作りましたが、完全
なものは作れませんでした。
2.クロノグラフを作動させると歯先に小傷が多く、歯あわせの深さが一定しない事が起こり、
色々と深さ調整をしましたが、まれに10時位作動する時あり。 歯車を交換しましたが、アガ
キが変って、前後の歯車のアガキ調整をしてみましたが、歯車の傷や欠けがある為に、調整
の範囲を超えています。
3.巻き真先端の穴に折れ込んで巻き真が入って抜けなかった。 長時間振動を加えてようや
く抜き取りました。
4.ガラス淵及び裏蓋の喰い付きが甘いために強い衝撃を受けると外れる恐れがある。
5.針、小針のハカマがゆるみ使用不可の為に、他の針を使用。
6.繰り返しランニングテストをしたが、クロノグラフを使用すると停まってしまう場合が多く、12時
を上にしてぶら下げると一番長く動く。 腕につけての通常使用には耐えられない。
7.部品取り用の部品を使用しても合わないものが多かった。 限界まで努力しました。
時間がありましたら、このファイルを英文にして青い目を白黒させてしまおうかと思っていますが、果たして如何に。
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