平成二十三年、2011年、今年はもう花の画像集をやらなくなるような気もしてい
ました。 昨年の辛い思いがそう感じさせたのでしょうか。 それでも時節が来ますと、
寒中梅の芽を出し花を咲き初めるように、自分の気持ちもすこしづつ変って来ました
ようで、性懲りもなくまたまずは春一番梅から始めてみよかとの気持ちも芽生え出した
ようです。

 やる気が出てやり始めたら止まらない、もうどうにも止まらない性分で、やり始める
までには相当躊躇してしまうのも持って生まれた性(さが)で、どうしようもない。
 わがものなれど、わが意のままにはならざるがさがなり。 賜りもの授かりものと言う
べきなりや。

 左に絵の画像を掲載しましたが、これは日本画のカレンダーから写真を撮ったもので
して、
奥村土牛「薄紅梅」とあります。 枝垂れの紅梅でして、眺めているうちに写真を撮りたくなってしまいました。
この絵のように梅の匂いの漂うような写真を撮りたくなってはいるのですが、果たしていかに。

 今年は梅の咲き出すのが早い、昨年の夏の長い猛暑酷暑のせいかとも思いますが、元旦より咲き初めた梅を
見つけました、従いまして元旦よりの撮影順で出来るだけまとめてみたい気もあります。
 

 


         

        
 


      

 

  

 

 小石川後楽園の梅

 ある人の紹介もあり、かねがね近くで梅のいいところはとは思っていた
事もあり、休みの日に上に掲載の梅の画像編集をしていましたが、ふと
時間の都合で、そうだ小石川後楽園に行ってみようと思い立ち、地下鉄
で十分くらいで到着はしたのですが、そこから徒歩で八分くらいはかかっ
たでしょうか。 地上にある地下鉄の駅の前にあるのですが、水戸様の大
きな庭園でして、白壁の土塀に沿い歩く事八分くらいです。

 梅は期待はずれのところもありましたが、やはり手入れの行き届いて
いる。 但し、枝垂れの美事なのがあり、それに出会えただけでも来た
甲斐ありと言う事で満足しました。 都心にあって風情漂う庭園です、そ
れが東京ドームのすぐ裏とは。

 画像の撮影日が平成二十二年となっていますが、二十三年の間違え
です。 どうも間違えてしまいます。


 

 


           

                 

 冒頭に掲載しました日本画「薄紅梅」と言う枝垂れ梅に感化されたせいか、やはりいい枝垂れ梅を探して
いたのかもしれない。 とうとう雰囲気の似ているような枝垂れ梅、薄紅梅に出会ったようです。

 不思議なものです、あるきっかけが出不精の自分さえ動かしてしまいました。 ここから仰ぎ見る薄紅梅、
いいものです。 うっとりして憂き世さえも忘れてしまいます。 惚れて仰ぎ見る、このたまゆらこそ寶なれ。

 さて人として生まれ人の世を生きるとは如何なる事か、徒然草にその様子が如実に書かれています。

 「人に戯(たはぶ)れ、物に争ひ、一度(ひとたび)は恨み、一度は喜ぶ。 その事定まれる事なし。 分別
みだりに起こりて、得失止む時なし。 惑ひの上に酔へり。 酔ひの中に夢をなす。 走りて急がはしく、ほ
れて忘れるたる事、人皆かくのごとし。」
 第七十五段

 「惑ひの上に酔へり、酔ひの中に夢をなす。」、然り、まさにその通りならむや。

 三月に入ってもう梅も終わりかと思ったのですが、遅咲きの梅にまた出会いすぐに撮影しましたので追加します。
 


 

 この撮影の後の三月十一日金曜日に東北で大地震と大津波が発生してとんでもない事となって
しまいました。 人智では測り知れない、人間の自慢する文明も科学も瞬時に吹っ飛んでしまう
事態が起こりました。 やれ月へ行った、大量殺戮破壊兵器を平気で造った、そんな事も役に立
たず。 人の業(わざ)、及ぶところなし。

                                          

     季節の花 300」と題するサイトは実によく花について調べられていまして、時々
  参考にしています。 必ずお役に立つサイトのはずです。